我が人生は物語と共に

映画や演劇の感想など。エンタメと文学をこよなく愛します。

『刑事ゆがみ』哀しさと優しさ、愛に溢れた刑事ドラマ

お久しぶりです。

今回は、昨日12月14日に全10話で最終回を迎えたフジテレビのドラマ『刑事ゆがみ』の感想です。

 

この記事を観て、またDVDででも観てくれる人がいたらいいなーとの思いで書くので、ネタバレはなしでいきます。なので内容自体には触れないようにしました。(あと単純に、各回の内容に触れ出したら言いたい事多すぎて止まらなくなる(笑))

 

 

 

作品紹介(公式より)

10月12日(木)よる10時スタートの木曜10時ドラマは「犯罪者の心を読める天才偏屈刑事」と「正義感と上昇志向が強い腹黒刑事」の凸凹バディが難事件を解決する刑事ドラマ『刑事ゆがみ』に決定!

 

 

キャストについて

主演は浅野忠信、相棒に神木隆之介

署のメンバーに稲森いずみ、仁科貴、橋本淳。

主役の弓神の協力者、謎のキャラクターに山本美月

 

レギュラーは上記6名です。

 

 

 

観ようと思ったキッカケ

今回はキャストです。

浅野忠信神木隆之介コンビで刑事ドラマというだけでも、「あ、これ絶対観よう」と思ってたんですが、加えて橋本淳。

私がここしばらくイチオシの俳優です。

これは観るしかないだろう!!

というまあ単純な理由。

 

 

 

感想と、『刑事ゆがみ』の魅力

初回観た時は、そこまでガッツリ響いたわけではなく、「まあまあかな」程度でした。

オチはなるほどそうきたか、と思ったし、面白かったけれど。

 

私がハマったのは第2話から。

ほかに私の好きな回は、3、4、5、6あたりですかね。

 

私は毎回、「そうきたか!」と思うオチです。それもまた凄い。

なるほどなぁ、そういう真実だったのか、全然分からなかった……という驚き。

まあミステリー慣れしてる人は検討つくのかもしれませんが。(でも私もミステリー小説とかよく読むのに(笑))

 

この作品は、毎回とても切ないです。暴かれる真実から見えてくる物語は、とても哀しくて、辛いです。

人の抱える複雑な思いに切り込んでいきます。どうしてこの人がそうせざるを得なかったのか。様々な哀しみの果てに生まれてしまった悲劇の物語ばかりです。

ほぼ毎回、観ては泣き、そのあとはしばらく作品のことが頭から離れず、各人物に思いを馳せ、考え込んでしまうことが多かったです。

 

主役の弓神の影が薄くなることは決してないけれど、でも主にゲストが中心のドラマともいえる。

 

 

とても重たーいドラマのように書きましたが、そこを見やすくしてくれたのが、弓神のキャラクター。

いわゆる「型破りな刑事」で、真実を突き止めるためには違法捜査をいとわない。それから、ふざけていて、とても「適当」な感じがする。ちゃらんぽらんというか。

そんなキャラクター設定が、画面を明るくしてくれる。

 

そして、物語と同じくらい魅力的なのも、この弓神のキャラクター。

ちゃらんぽらんに見えて、実はとても真面目です。

そして何より、優しい。大きな人。他人の心をよく見抜いている。

一見そうは見えなくても、他の誰よりも情が深い人間です。

辛い物語に、弓神の優しさが胸を打ちます。

 

で、この弓神という人物に、浅野忠信がめちゃめちゃハマっているわけですよ!ものすごーくかっこいいです。魅力が爆発しています。

すでに見ていると思いますが、浅野忠信ファンは絶対に観た方がいい、必見の役です。

 

 

そしてこんな一見ちゃらんぽらんな奴の相棒にあたるのが、神木隆之介演じる若手の羽生。

羽生は真面目に見えて超したたかです。出世に燃えてます。でもなんだか素直というか、ピュア(笑)単純ですね。

そんな羽生が弓神の違法捜査に巻き込まれまくってるわけですが、回を追うごとにじわじわと弓神のことを信頼していってるのが、なんとなーく伝わってきます。それがいい。

神木くんやっぱり上手いな……。

 

 

 

どんな作品もですけど、物語と同じくらいキャラクターは魅力に溢れていないといけないわけです。

この『刑事ゆがみ』は、物語も〇、キャラクターも〇。弓神という人物が、本当に最高です。

 

 

ラスト2回の弓神自身も関わる大きな事件、謎は、これまたとても辛い、残酷な真実。
でもやはり、優しさを感じられる。

 

毎回辛いと思いながら、「人間」に思いを馳せ、優しさを感じていた。要所要所に、人の愛があった。

 

とても哀しいけど、最高に面白いドラマだった。

 

 

 

というわけで、一番言いたいのは、

観てない人は観てね!

っていうことと、

シリーズ化してくださいフジテレビさん!!!

ということです。

 

 

私の推しの橋本くんも終了後のTwitter

とか言ってるので、期待しますよー。

 

 

 

 

 

良いドラマをありがとうございました。

また是非彼らの姿を私たちに見せてください。

フジテレビさん、何卒よろしくお願いします。

クイーン伝記映画『Bohemian Rhapsody』メンバーキャスト発表。なんとあの人が出演…!

どうもお久しぶりです。
半年近く放置してしまいました。
書くことは色々あったのですが、面倒な気持ちの方が優ってしまい……どうせ誰も待ってないし、とやる気減退。

でも今回のこの話題は!記事にしなければという謎の使命感。



というわけで、本題です。


イギリスのロックバンド、QUEENの伝記映画『Bohemian Rhapsody』が製作されます。
かねてより主演のフレディ・マーキュリー役はラミ・マレックと発表されていましたが、この度残り3人のメンバーのキャストも発表されました。
ブライアン・メイ役にグウィリム・リー
ロジャー・テイラー役にベン・ハーディ
ジョン・ディーコン役にジョゼフ・マゼロ
です。








分かる人には分かるでしょう。
私が誰の名前に反応したか。
そう、ジョゼフ・マゼロです。私がいまだに愛してやまない、元子役のジョゼフ・マゼロ。

過去にこんな紹介記事を書いた程度には好きです。


もう大きな作品に出演することは夢のように思っていた私……失礼な話ですが。
それがまさか!クイーンの伝記映画に出演だなんて!!
ありがとうありがとう!!



ラミ・マレックとは『ザ・パシフィック』以来の共演ですね。
ジョゼフの大作系もあれ以来……。


ちなみにこんだけ好き好き言っときながら、ジョゼフが監督した『Undrafted』を実現まだ観ておりません。ごめんなさい。

Undrafted (字幕版)

Undrafted (字幕版)

Amazonで配信されていますので、皆さんどうぞご覧になって感想をください。私も観ます。





ではでは、これを機にまたぼちぼちと記事を書けたらなーと思います。






『陥没』感想。笑いと涙の人生賛歌。

『キネマと恋人』(『キネマと恋人』感想。映画という夢を愛すること。 - 我が人生は物語と共に)が大変良かった、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん作。

これがまた良かったです……!


陥没


2017/3/5
@森ノ宮ピロティホール
13:00開演
M列上手ブロック



シアターコクーン・オンレパートリー2017+キューブ20th,2017 陥没 | シアターコクーン | Bunkamura

内容紹介

東京オリンピックに翻弄される人々を通して、
東京と昭和を照射するKERA待望の新作書き下ろし!

2009年の『東京月光魔曲』と2010年の『黴菌』で、昭和の東京をモチーフに作品を発表し、「昭和三部作」を目指したケラリーノ・サンドロヴィッチ。7年という時間を挟んで、いよいよ完結編となる3作目が誕生する!

2016年、読売演劇大賞最優秀作品賞・優秀演出家賞、芸術選奨文部科学大臣賞と大きな受賞が続く、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)の待望の新作書き下ろしです。

『東京月光魔曲』(2009年上演)、『黴菌』(2010年上演)と、昭和のそれぞれの時代の東京をモチーフとした前2作から7年の時を経て、2017年2月、第1回東京オリンピックを目前に控えた1963年頃の東京を舞台とした『陥没』が誕生する。わずかな年月で敗戦から復活を遂げたこの国が、輝かしい成果を世界に示す晴れの舞台となった東京オリンピック。道路の拡張と舗装、さまざまな向上心、野心、情熱、欲望が、工事の音ともに東京に渦巻き、一方、その時代、その場所に居合わせながら、なぜか時流に乗り遅れた人々もいただろう。この作品は、それでも捨て切れないオリンピックとの因縁に翻弄される人々の群像劇となる。2020年には第2回東京オリンピックが開催される東京。「あったかもしれないオリンピックの物語」を通して、昭和と東京、さらには、平成の東京オリンピックまでも照らし出すはずだ。 

スタッフ

作・演出: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
舞台監督: 福澤諭志

感想


※ネタバレあり




会場に着いたらもうDVD発売が決定していて、終演後の予約を受け付けていました。




芳雄さんにうたコンからお花がきてた!




ストプレは男性の観客も多いですね。
ミュージカルってなんであんなに女性ばかりなんだろ。









さて、『キネマと恋人』のケラさん演出なので、期待していた。

これがやっぱり非常に面白かった・・・!





悲喜劇だ。笑いと悲しみの混ざり合い。
悲しみはすぐ笑いへと転じる。そうやって進んでいく。
物語も、人生も。

人生賛歌の舞台だ。




上を向いて歩こう』の音楽で始まる。


照明によってセピア色になっている舞台。すぐに、これはいわゆる「プロローグ」で、過去の話なのだと分かる。


貞晴と瞳が、幸せな婚約者同士だった頃。


舞台となるホテルはまだ建設中。

このプロローグのラストで、瞳の父が亡くなってしまう。




オープニングクレジットがすごくかっこいい!
映画みたい。




しばらくは、物語がどう進むのか見えなかった。

プロローグで婚約者だった二人はすでに離婚し、瞳は再婚、貞晴も結婚を控えている。

瞳が父の後を継いで経営するホテルで、貞晴の婚約パーティーを開く。



群像劇なんだろうと思ったけれど、やはりこれは瞳と貞晴の物語だった。
本当はいまだ愛し合い、しかしお互い自分が選んでしまった道からもう抜け出すことはできなくなっている。
二人が再び共に人生を歩むことになる、そのドタバタな、また少しファンタジックさも交えた、そんな経緯。
そして彼らを取り囲む人々の物語も。



貞晴の母、鳩がこう言う場面がある。
「貞晴は、正しいチョイスをしたのでしょうか?」
人間は、人生で数えきれない選択をする。選択をせずに生きることはできない。
様々な選択を経て、ここにいる。

貞晴と瞳は、自分たちが間違った選択をしたと気がついている。離婚、そして別の人間との再婚。
間違えたと気がついていても、そうとは認めない、認めたくはない。自分たちは正しい選択をしたのだと思い込もうとしている。


そのまま進んでしまう未来もあったろう。
が、様々なとんでもない出来事により状況は二転三転し、二人は再び共に歩むことになる。



貞晴への思いを語る瞳。
ひとつひとつは何気ないことばかり、でもあまりにも愛に溢れていて、泣けてしまう。


瞳につきまとう大門を殴った貞晴。
隠していた愛情が溢れた瞬間。





最後のBGMは、『見上げてごらん夜の星を』。
歌はなしだが、私は歌詞が頭に浮かんで、舞台上の二人とあまりに重なって、感動する。

見上げてごらん 夜の星を
小さな星の 小さな光が
ささやかな幸せを歌ってる

見上げてごらん 夜の星を
僕らのように 名もない星が
ささやかな幸せを祈ってる

このBGMの中、舞台上にいるのは三人だけ。
貞晴、瞳、貞晴の弟の清晴。
清晴は眠っている。
貞晴は、瞳に語り続ける。
「映画に行こう」「旅行へ行こう」「宇宙旅行も当然になってるだろうな」
緊張したような、上ずった様子で話し続ける貞晴に対し、言葉少なに、でもはっきりと相槌を打っている瞳。
決して貞晴は「結婚しよう」とは言わない。
しかし彼の語る言葉の数々は、「これからの人生を共に歩もう」ということ。
そして日本の未来、自分たちの未来への高まる希望。


清晴が目を覚ます。
いつの間にか黙りこくっていた瞳を、観客からは背中しか見えない瞳を見て言う。
「なんで泣いてるの?」


なんでだろう。きっと、安堵したからだ。幸せでいっぱいだからだ。
あまりにも暖かい気持ちで溢れているからだ。


観客も、私もそうだった。
あまりに感動して、号泣寸前だった。


結局この舞台は人生賛歌であり、この元夫婦が、お互いの、自分たちの居場所を取り戻すための物語であった。








舞台自体は、貞晴と瞳以外の人物もしっかり描かれており、皆とてもキャラが立っている。
群像劇の要素も強い。



主演コンビ井上芳雄さんと小池栄子さん、とても良かった。
二人の空気感がよく合っていて、しっくりくる。それぞれ再婚相手との空気の合わなさが、対照的に際立っていた。



貞晴の婚約者、結は、どこか危うい感じのする少女。
最初は意地悪さを感じたけれど、見ているとむしろ危うさの方が強く感じてくる。
松岡茉優ちゃんは好きな女優さん。今回も上手かったのだけれど、他のキャストに比べて声の通りがイマイチだったのが少し残念。



今回驚いたのが瀬戸康史
この人あまり演技が上手いと思ったことがなかった。
が、この清晴。非常に良かった。とてもハマっている。
純粋さ、真っ直ぐさ。下手したら多少はウザく感じてしまいそうなキャラクターを、瀬戸はものすごく愛らしく演じた。愛さずにはいられない、皆に愛される清晴。
大好きなキャラクター。
貞晴との兄弟愛にも感動した。清晴は兄を信頼しきっているし、貞晴は弟をすごく、すごく可愛がって、愛している。
そして母も。この親子三人は、とても良い家族関係だと思った。



最初「このキャラ少しきもいぞ・・・」とおもった山中淳さん、結局は一途で一生懸命で、最終的には好感度高くなる役得ポジション。


犬山イヌコさん演じる鳩さんは愛らしい。


生瀬さんは・・・相変わらずアクが強い。
今回もしょーもない人間を全力で演じ切ってくださって。本当に上手いなぁ。


近藤公園さんは名前だけ存じ上げていたのですけど、私の好きなタイプの演技かも。
今作のキャラは、明るく、人当たりの良い人。一見、そう見える。が、実は毒がある。腹黒そうというか。


『キネマと恋人』では主演だった緒川たまきさん。
今回は笑い担当。最高に面白い、この人の独特のテンポ。






今作は悲劇的な展開もありつつ、笑いに溢れている。
すごくよく笑った。
どの人もこの人も、またどんな場面でも笑わせてくる。
笑いって難しいと思うのだけれど、くどくなく、本当に面白かった。





笑いの余韻に浸りつつ、ラストではあまりに感動して。

最高の作品でした。





DVDは予約はして帰らなかったのですが、絶対買おうと思います。