我が人生は物語と共に

映画や演劇の感想など。エンタメと文学をこよなく愛します。

『ドクター・フー』S5#2『眼下の獣』

ドクター・フー ニュージェネレーション』第2話
『眼下の獣』(The Beast Below)




間違えて第3話を先に観てしまった(笑)




29世紀のイギリス。
地球は太陽沸騰により住めなくなり、人類は地球から脱出。
ひとつの国がひとつの宇宙船として存在し、人々はそこで暮らしている。
スターシップUK。

冒頭では成績0点の少年が、0点にも関わらずエレベーターに乗ろうとした結果、"下"に落とされる。

その少年の友人の少女が泣いているのを気にしたドクターとエイミー。

そして船の探索へ…。

エンジンのない宇宙船。

"下"には何があるのか。










ネタバレあり。















この宇宙船は、スターホエールに乗せられて飛んでいた。
最後の一頭と言われるスターホエールを捕まえ、拷問にかけ、飛ばしていた。


"下"はスターホエールの口の中。
反逆者や問題のある市民はここへ落とされ、殺される。
しかし死ぬのは大人だけ。


真実を知ったとき、「忘れること」を選択し、何回も何回も同じことを繰り返していた女王。

市民はある年齢になるとビデオを見せられ、「忘れる」か「抗議する」を選択出来る。
抗議を選ぶと、"下"へ。



スターホエールのことを知ったドクターは、スターホエールに電気ショックを与え、脳死状態にしようとする。
スターホエールを苦しませながら飛ばすか、スターホエールを解放して、このイギリスの全国民を死なすか。それ以外の選択は、これしかないと思って。

途中で、エイミーもビデオを見て真実を知っていながら「忘れる」を選んだことに対し、ドクターは怒りエイミーをも拒否する。

が、ドクターのしようとしていることを見て、エイミーは考え、そして気付いた。

スターホエールが、子どもは助けることを。
たった一人の生き残り、子どもの哀しみを放っておけない、哀しいひとりぼっちの人がすぐそばにいることを。

ドクターのことを思い、エイミーは女王に「忘れる」ではなく「退位」ボタンを押させる。
それはスターホエールの解放。イギリスの崩壊。

しかしスターホエールは去らなかった。
拷問がなくなったことによりさらに加速して、イギリスを乗せたまま飛び続けた。

そもそもスターホエールが現れたのは偶然の奇跡ではなかったから。子どもの嘆きを聞いてやってきたのだから。
去ってしまうわけはない。

ドクターとスターホエールは同じだ。
同じ優しくて哀しい存在。

エイミーの気付きが、イギリス全国民とスターホエール、そしてドクターの心も救った。





今回は人間の残酷さが描かれていましたね。
しかしただ単に残酷なだけではない。同じ仲間である"人間"のために、皆"忘れる"という選択をしていた。
人間のためには他のものを犠牲にする、そういう残酷さ。


そしてドクターの孤独と優しさ。


また泣いてしまいましたよ。
これは感動の作品でした。