我が人生は物語と共に

映画や演劇の感想など。エンタメと文学をこよなく愛します。

日本初演!『ジャージー・ボーイズ』鑑賞

待ちに待った『ジャージー・ボーイズ』!!

連休を利用して東京遠征、17日、18日と観てきました。
17日がチームWHITE、18日がチームRED。



初めてのシアタークリエはとても綺麗でこじんまりとした、居心地の良い劇場でした。

チームWHITEはやや上手よりの14列目、チームREDはなんと3列目センターでの鑑賞。
さすがに3列目は役者の表情が事細かに見えて感動……ですが、作品全体を見るにはやっぱりもう少し後ろの方が良いですね。14列目もなかなか見やすかったです。






キャスト

中川晃教
藤岡正明(RED)
中河内雅貴(WHITE)
矢崎広(RED)
海宝直人(WHITE)
吉原光夫(RED)
福井晶一(WHITE)

太田基裕
戸井勝海
阿部裕
綿引さやか
小此木まり
まりゑ
遠藤瑠美子
大音智海
白石拓也
山野靖博
石川新太

演出

藤田俊太郎





作品の感想

※舞台の内容と共に、映画の内容にも触れています。未見の方はご注意ください。





簡単に作品紹介すると、アメリカのポップスグループ『フォー・シーズンズ』の栄光と挫折のグループ人生を描くヒューマンドラマです。
特に、リードボーカルフランキー・ヴァリにスポットが当てられています。






まず言う。
最高だった!!
素晴らしかった!!



この一体感、高揚感……まさに生ならではの感覚。




流れに沿って上手く文章に出来ないので、思い出すままに書き留めます。






まず劇場内に入って目に入るのは、上手と下手にたくさんセットされたテレビの数々。
作品の進行中に舞台で回されているカメラの映像が映し出される。役者であったりまた客席であったり。他、当時の状況説明の際に資料映像が流されていたり。
このテレビ映像がまず面白いなぁと思った。






イーストウッド監督の映画を観た時は、これは「ミュージカル映画」というよりも「音楽映画」だなという印象を受けた。
それが舞台では、やっぱりミュージカルだなぁと感じた。
歌が歌われる場面での歌詞と、その時の状況のリンクが、より強く感じられる。
映画よりもトミーやボブのソロが多くて、これは嬉しい。






語りは四人が順に。トミー→ボブ→ニック→フランキー。





フランキーの最初の登場、いきなり歌声が聞こえて、それから姿を発見して……この歌声が聞こえてきただけでなんか感動した。





トミーは本当にどうしようもない奴。でも映画でも思ったけど、冒頭の彼の、フランキーに対する態度を見てると……ひどいんだけど、フランキーの才能を本当に大事にしているのが感じられて、何とも胸が痛い。
それはニックもだ。
トミーもニックも、二人ともフランキーの歌声を最大限に引き出そうとしている。
トミー、ニック、フランキーで、未完成ではあるがすでにもう「グループ」が出来ていた。

というところに現れる四人目がボブなのだけど、ボブが現れたときにもうこの四人組の分裂は見えていた気がする。

ボブがフランキーの歌声に惹かれ、フランキーがボブの曲に惹かれる。
Cry for Meの初めの方、フランキーとニックが歌の輪に入っても、まだ一人離れているトミー。後の縮図のようで……。

でもその後トミーも加わり、初めて四人でハーモニーを作り出す。四人の美しく伸びやかな歌声が響く。この場面は大好きで、泣けて仕方がない。







ボブが加わる前の謎のメンバーとの猿ダンスシーン、大好き(笑)
面白いうえにやたらインパクトがある。最初けっこう衝撃だった(笑)







SherryやBig Girls Don't Cryのヒット曲のシーンももちろん盛り上がったのだけれど、第一幕の見せ場はこの次、Walk Like A Man。

演出的に、歌い上げてそのまま演技が続く場面と、歌い上げてポーズを決めて、まさにライブのように歓声を浴びるシーンがある。
この大歓声を浴びるシーンの一つが、Walk Like A Manだった。
幕が降り、四人はその前でライトを思いっきり浴びながら、高らかに歌い上げる。
鳴り止まない拍手、歓声。
興奮して楽しくて、幸せでたまらない一瞬。




この舞台において、作品の中での観客とは、私たち自身である
映画では味わえない。生だから味わえる。
私たちも、この物語の一部となっているんだという、その幸福感。
まさに私たち自身がフォー・シーズンズのショーの観客なのだから、だから私たちはその瞬間は、ただひたすらフォー・シーズンズの素晴らしいパフォーマンスに拍手を送るんだ。






December 1963は、ボブがメインソロ。
トミーやらにそそのかされてというかプレゼントされてというか、初めて女性を抱くボブ。彼らの成功と、それに浮かれるはっちゃけ具合が良く出ているシーン。
まだ借金のことも知らず、成功を手にし、何もかもが自分たちの思うように動いているような、そんな感覚を思う存分味わっているほんの一時。






以前からサントラを聞いていて、Stayから始まるメドレーが好きだった。
ここはグループの分裂の場面。
多額の借金が発覚し、トミー、そしてニックが去る。
「行かないで」と歌うフランキーとボブ。トミーはあんなにどうしようもない奴で、酷い目にあえばいいとまで思っている。ニックは存在を蔑ろにしてきた。なのに、行かないで。これがフランキーとボブの本心だったのだろうか。






大ヒット曲のCan't Take My Eyes Off Of You。
映画では、この曲は娘の死の後に歌われる。その流れにより、フランキーが歌うこの曲の中の「君」は、フランキーの娘であると、フランキーは娘に対して歌っているのだと、観客はそう受け止めるだろう。その演出が好きだった。

が、舞台では娘が死ぬのはこの曲より後。
それによって作品の中でのこの曲の歌われる意味合いが違ってきて、映画の演出が好きだった私は少し残念。
オリジナルブロードウェイ版は観てないけれど、多分日本版舞台と同じなんだろう。
ということはこの改変をしたイーストウッド監督はつくづく凄いなぁと……。

とは言えこの曲の凄さ、パフォーマンスの圧巻さは変わらない。

この曲でも幕は降り、フランキーが一人その前で歌う。
観客は、また私たち自身。
割れんばかりの歓声。拍手。この曲をラジオでかけてもらうためには観客の反応が必要、だから私たちは惜しみない拍手を送るんだ、この曲を世に送り出すために。そう思って観ていた。



この舞台作品の醍醐味はそこだ。
さっきも言ったけれど、私たちも、物語の一部となること。
どんなに幸せな時間だったか。







娘に関して、映画版では幼い時の娘との交流があったけれど、舞台ではいきなり成長した子が出てくるので、あまり父娘の絆を感じられず。そこは残念。







時は流れ、ロックの殿堂入りしたフォー・シーズンズは再び四人揃って歌う。

一人一人の独白。
フランキーの「最高だった瞬間」。「街灯の下で四人揃って歌ったーーーーーただ、音楽だけがあった」。

ただ、音楽だけがあったときが、一番幸せだったんだ。
他のものは全て消える。あるのは四人の音楽だけ。




涙が止まらない。





涙を流しつつ、ショーはあまりにも楽しくて、泣きながら笑顔で観終わる。

そしてカーテンコール。
ここは本当にライブ。スタンディングで、一緒に揺れて踊って飛んで。


楽しくて楽しくて、最高の作品を観れたんだなという幸せを感じた。







ちなみに日本語の歌詞は違和感感じなかったです。
全然と言っていいほど変な風に気になったりしなかった。








キャストの感想

フォーシーズンズ以外の役者さんたち、ものすごくハードだと思う。
シングルキャストだからWHITEにもREDにも出て、そのくせ何役もこなすからほぼ出ずっぱり。
すごい大変だと思った。
そのくせそれぞれの役で印象バッチリ。歌も演技も良し、皆さんすごい。





元々のお目当てはWボブのお二人、矢崎さんと海宝さん。

海宝さんに関しては全く不安はなく、案の定素晴らしかった。Cry For Meで鳥肌。

矢崎さんは歌声は好きなんだけど、このベテランミュージカル勢の中に放り込まれて、私はどう感じるかな……と思ってた。杞憂だった。
同じくCry For Me、この曲は四人のハーモニーが初めて合わさる記念的楽曲ですが、ボブの見せ場でもある。出だしは柔らかく、Love You So〜からどんどん伸びの良い歌声を響かせてくれて感激。

ボブは劇中のDecember 1963と共に、カーテンコールでの同曲でも少しソロを歌ってくれたので嬉しかったです。

海宝ボブは割と凛々しい感じ、矢崎ボブはなんだかほんわかしてる。でも二人とも、ボブのビジネスライクさがよく出ている。

好青年ボイスの二人。
どちらも大好きですが、実は生で見るのは初めての矢崎さんに胸キュン(笑)
アメリカンな軽いウィンクやら、ラスト独白の最後、息だけの「ありがとう」やらにキュンキュンしました(笑)
二人ともとてもキュートで、私の好きな歌声で、大満足。





いつのまにかすごく楽しみにしていた藤岡さん。
期待を裏切らなかったです、彼は。トミーのチンピラ具合が逸品!(笑)
そして演技が上手い。もちろん歌も上手い。
(思わずCD買って、サイン入りブロマイドもゲットした私……)
ところで私、この藤岡さん見ながら、何故か時々ふっとジャック・ワイルドを思い出していました。

中河内さんは、この人もけっこう好青年ボイスだと思うんですよね。だからトミーってどうなんかなーと思ってた。
そして実際見たら、どこか坊ちゃん風(笑)どーしよーもなさがないわけではないんですが、藤岡さんの醸し出されるチンピラ具合とは違って、中河内さんは良いとこの坊ちゃんが気まぐれに遊んでる、って感じの印象(笑)
実際、Wキャストの三役で、トミー役の二人が一番印象がかけ離れていた。




そしてニックの二人、福井さんと吉原さん。

福井さんの方がややジェントルマンっぽい……?(笑)
吉原さんの方が熱いかもしれない。
微妙に笑いを取ってくるニックが面白いポジション。
ニックはどちらもなんか飄々としていて、大人な雰囲気もあるくせにそれより強くやんちゃな雰囲気を漂わせていてなんかかわいい。
ニック怒り爆発のシーンは印象的だよね。





アッキーさん。天才。
本当に凄い人だ。
今フランキー役をやれるのは日本ではアッキーさんだけなんだろうな。
あまりに凄くて、この歌声がCDなどで残らない(らしい)のが惜しい限り……。








私が鑑賞する前からTwitterで色んな人が言っていたことだけれど、実際観てまさにその通りだと思った。
すなわち、WHITEは正統派、REDは個性派。
良くも悪くもWHITEは綺麗にまとまっていて、良くも悪くもREDはごちゃっとしていて人間臭い。
好みはあると思うけれど、どちらも好きだ。これだけ違うなら、両方のバージョンを見る価値は十分にある。













本当にCDが欲しい。もっと言うなら映像が欲しい。
しかし問い合わせたところ、CD化も映像化も予定はないとのこと………ですがみなさん!要望が多ければ変わるかもしれません!!ぜひ皆さん問い合わせしましょう、アンケートに書きましょう!













というわけで、ごちゃごちゃと書きましたが、とにかく最高の舞台でした。
こんなに楽しいなんて……たとえ映像に残ったとしても、この楽しさは会場に行かないと味わえないですね。
というわけで、早々に再演希望です。同キャストだと嬉しい。









長々とダラダラと書きましたが、読んでいただきありがとうございました。






映画の感想↓


アッキーさん、藤岡さん出演舞台感想↓

海宝さん出演舞台感想↓

海宝さん、福井さん出演舞台感想↓



ジャージー・ボーイズ オリジナル・サウンドトラック

ジャージー・ボーイズ オリジナル・サウンドトラック