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我が人生は物語と共に

映画や演劇の感想など。エンタメと文学をこよなく愛します。

樋口一葉の生き方 『書く女』感想

舞台 橋本淳

『キネマと恋人』(『キネマと恋人』感想。映画という夢を愛すること。 - 駒子の思考)やら『黒いハンカチーフ』(『黒いハンカチーフ』感想 - 駒子の思考)やらでストプレ熱が高まっている今日この頃。

ついでにどんどん橋本淳くんのファンになっていっています。
そんな橋本くんの出演作をまた観ました。

以前BSプレミアムで放送していたので録画していた、二兎社による『書く女』です。


『書く女』


2016/1/21-1/31
@世田谷パブリックシアター



二兎社公演40 | 書く女 | 作・演出 永井愛

スタッフ

作・演出: 永井愛


キャスト

黒木華
平岳大
木野花
朝倉あき
清水葉月
森岡ひかる
早瀬英里奈
長尾純子
橋本淳
兼崎健太郎
山崎彬
古河耕史

作曲・ピアノ演奏: 林正樹


作品紹介

創作の原点となった日記をもとに、樋口一葉が作家として成長していく過程を描きます。

 一葉がもし現代の若い女性だったら、ブログやツイッターで日々の出来事をアップしていたことでしょう。親友のい夏ちゃんやライバル作家の龍子さん、そして桃水先生やイケメン青年文士たちとはメールやラインでやりとりしていたかもしれません。
 しかし、現代との大きな違いは、人と直接会って話をする機会の多さではないでしょうか。一葉の家には毎日のように訪問客があり、一葉も人に会うために頻繁に出かけて行きます。
 一葉は半径わずか数キロの狭い生活圏で生涯を過ごしました。それにもかかわらず、社会の底辺に住む人々から華族出身の令嬢たちに至るまで、多種多様な人々と交流し、想像以上に広い世界を生きました。
 スマホが手放せず、身辺で起きた出来事をつぶやき、匿名のネット空間で充足しがちな今だからこそ、生身の人間どうしが出会い、触れ合う豊かさやダイナミズムを、この舞台で体験してほしいと思います。

 約10年ぶりとなる今回の舞台では、一葉役の黒木華をはじめ、全てのキャストを一新しました。一葉の妹や友人、ライバル、そして樋口家を訪れる青年文士などの若手俳優9名は、全てオーディションやワークショップを経て選びました。舞台を中心に活躍する実力派ぞろいです。
 今回は新演出として、ピアニスト・林正樹の即興による生演奏とのコラボも期待されます。
 瑞々しく生まれ変わった2016年版『書く女』をどうぞお楽しみに!

感想

樋口一葉に関しては、お札の人、教科書に載ってる人、『にごりえ』や『たけくらべ』を書いた人………程度の知識しかありません、恥ずかしながら。
とは言いつつ、私程度と同レベルの知識の人はかなり多いと思います。
なかなか詳しく知る機会ってないですよね。

著名人を描いた作品というのは、その人を近く、リアルに、生々しく見せてくれます。
それが事実を織り交ぜたフィクションであろうとも、私たちはこういった作品によって、遥か遠い人をとても身近に、「生身」として感じることが出来る。
醍醐味だなぁ、と思います。



この作品での樋口一葉は、恋する姿はとてもチャーミング、貧乏に嘆く姿も生々しい。
しかしとても芯の強い、また志を持った女性であったことが分かります。
女性として生きることについて、小説で訴えた人。
歴史に名を残す人ですから。当然頭も良い。





何と言ってもこの樋口一葉こと夏子を演じた黒木華さん!
彼女がとにかく素晴らしかった。
生き生きとして愛らしくて、おどおどしたように見えても実は強い。
声もとても良かった。
もう黒木さん演じる夏子がかわいくてかわいくて仕方がない。でも同時に悲しくて、またその強さに憧れを感じて。
本物の樋口一葉も、きっととてもチャーミングな人だったんだろうなぁ、と思ってしまいます。


多くの人に愛されて、多くの人の生活を見て。
女性の権利を守ろうとした。


愛すべき夏子。ラストには、もう涙が止まりませんでした。


恋模様もまた、切ないですね。






黒木さんがずば抜けて印象的だったのですが、他のキャストさんも素晴らしかった!

平岳大さんは、どことなく朴訥とした感じのハンサムで、人が良さそうで、夏子があっという間に恋心を抱いてしまったのも頷けます。


夏子の母と妹、木野花さんと朝倉あきさんも良かったし、取り巻く友人、ライバル達も、青年文士達も。一人夏子の深層心理をズバッと言ってのける斎藤緑雨も………。とにかくみんながみんなその役に溶け込んでいて、どのキャラクターも愛すべきキャラクターで、本当に見ていて幸せでした。





お目当ての橋本くん。
今回の役としての感想ではないのですが……彼は意外に個性派俳優ですね。
一見真面目で賢そうな雰囲気ですが、それだけではない、どこか……どうにかするとタガが外れそうな、突拍子もないことでもしでかしそうな………何か独特な、掴めない空気。
今作ではけっこう普通の青年役ですけど、そんな彼の纏う空気を改めて感じながら見ていました。
上手く言えないんですけど、俳優としてそんな空気感はとても大事ですよね。

今作の青年は、恋心ではないんだけど、一葉が大好きで大好きでたまらない!自分が見つけた天才だ!的な空気がバンバン伝わってきて、可愛い若者でした(笑)







立て続けに面白いストプレ観ると、もうミュージカルよりストプレに頭がいってしまいます……。
「芝居を見た!」という充足感。
ミュージカルはまた別な満足感ですね。

今年は芳雄さん主演、KERAさん演出『陥没』はチケット取っているのでそれがとても楽しみ。

あとは内野聖陽の『ハムレット』に行こうかと。
なんせ貫地谷しほり國村隼ですし。(好きなんです)

橋本くん出演の『君が人生の時』は題材的にもとても観たいのですが。東京だけだし断念かな……。

面白そうな作品があれば、今年はやりくりできる範囲でストプレも色々と観に行きたいと思います。