好きな気持ちが生きる糧

主に演劇の感想。橋本淳さん、矢崎広さん、井上芳雄さん、藤岡正明さんあたりが好きです。映画の感想は最近はFilmarksで完結しちゃってます。

『Photograph 51』感想

橋本淳と矢崎広の共演ということで、完全キャスト目当てでチケット取ったんですが、作品自体とても良かったです。


『Photograph 51』


2018/4/25 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ



内容紹介

女性科学者が殆どいなかった1950年代、ユダヤ系イギリス人女性科学者ロザリンド・フランクリン板谷由夏)は遺伝学の最先端を誇るロンドンのキングスカレッジに結晶学のスペシャリストとして特別研究員の座を獲得する。当初、彼女は独自の研究を行う予定でキングスのポストを引き受けたのだが、同僚ウィルキンズ(神尾佑)は、出合い頭、彼女を助手として扱う。この雲行きの悪い出合いが、その後彼女たちの共同研究のチームワークの歪みを作るきっかけとなる。形式上、共同研究者となったロザリンドとウィルキンズだが、二人は常に衝突を繰り返す。助手で指導学生ゴスリング(矢崎広)がおどけた調子で2人の橋渡しを図っても一向に効果はない。ぶつかり合いながらも、ウィルキンズはロザリンドに密かな恋心を抱くようになり、幾度も関係の改善を試みるが敢えなく不毛に終わる。ロザリンドが唯一心を許すのは、彼女に憧れを抱く若きユダヤ系アメリカ人科学者キャスパー(橋本淳)である。この事実もウィルキンズにとっては面白くない。子供じみた嫉妬をあらわにするが、ロザリンドにはウィルキンズの秘めた思いは全く通じていない。こんな調子であるから、当然研究も早く進むはずがない。ロザリンドが特殊カメラを駆使して撮影するX線画像は明らかにDNA構造の謎解きの鍵を映し出しているのだが、協力体制の取れていないロザリンド&ウィルキンズチームはその謎の解明に到達できない。そうしている間、野心家のアメリカ人若手科学者ワトソン(宮崎秋人)とウィルキンズの旧友クリック(中村亀鶴)がチームを組み、DNAの謎の解明に挑み始める。ウィルキンズを通じて、ロザリンドのX線画像の情報を入手したワトソン&クリックチームは、彼女の写真と論文を元にして、ついにDNA二重らせん構造の発見に成功してしまうのだった…

文: 翻訳・ドラマターグ 芦澤いずみ

(公式より)



スタッフ

作: アナ・ジーグラ
演出: サラナ・ラパイン
翻訳・ドラマターグ: 芹澤いずみ


キャスト

板谷由夏神尾佑矢崎広宮崎秋人、橋本淳、中村亀鶴




感想


公演終わったし実話だし、注意の必要はないかなと思いつつ、DVDとかが出る可能性も考えて(多分出ないけど)、一応。ネタバレありです。結末に触れてます。




最初は完璧にキャスト目当てで行こう!って決めました。
だからあまり内容とか気にしてなくて(笑)
けっこう直前になって、やっとしっかりあらすじやらを読んでみたところ、これすごい良さそう……と思い、当日はけっこう期待値高めで観ました。


もう記憶が曖昧な面が多くなってしまいましたが……。




ささいな不安要素と言えば、板谷さんが初舞台だってことだったかな。
でも心配は無用でした。板谷さん良かったです。

一見すると強すぎて傲慢にも見えかねないキャラクターだったロザリンド。でもあの時代、きっとあれだけ強くないと、彼女が望む科学者なんて仕事は出来なかったでしょう。
強い人が女性の道を切り開いてきた。今ある、更に変わりつつある、女性のあり方。感謝しかないです。
強くて自分の信念がしっかりあって、でもラストに見せる穏やかな、彼女の顔。とても美しかった。

「ロザリンドが発見に貢献したのに、ノーベル賞を取れなかった」という話ですが、少なくともこの作品では、彼女は自身のノーベル賞受賞を、自身の勝利を一番重視していたわけではなかったです。彼女が一番重視していたのは、謎が解き明かされ、発見されることそれ自体。「人間の勝利」。
もちろん、登場人物皆が言うように、「ああしていれば」「こうしていれば」という後悔、彼女もノーベル賞受賞した可能性、そういうものは切り捨てるわけにはいかないでしょう。
ただ自身の勝利よりも、人間の、世界の勝利を尊び、喜んだロザリンドは、本当に強く、美しい女性の姿だった。

感動しました。

切なく、哀しく、美しい物語。そういう印象でした。
涙が溢れた。




私は神尾さん演じるウィルキンズにもグッときましたね。
なんとかロザリンドと上手くやろうとする姿。ロザリンドにとっては鬱陶しかったかもしれませんが、私は彼の姿も切なくて。
結局彼はロザリンドに好意を抱いていたようですが……。
なかなか上手くいかない人間模様が哀しい。
ラストのロザリンドとウィルキンズのやり取りで私は感動でしたよ。
先程も書いた、勝利について。そしてシェイクスピアの『冬物語』。




科学者の話なので、専門用語が難解です。難解というか、頭に入ってこない(笑)文系なもので。
科学的なことをハッキリと理解してなくても、作品を読み取ることは出来ます。でも理解してた方がより面白いのかなぁ……。

そんな難解な舞台上の人物と客席の架け橋となってくれたのが、矢崎さん演じるゴズリング。
他の人にもそういう面がありましたが、彼は特に、狂言回しの役回りでしたね。
そしてゴズリングの明るさ軽やかさが、客席をホッとさせ、一息つかせ、また作品にのめり込ませる。
可愛かったですね、相変わらずこういう役やらせると本当に上手い。

今作の清涼剤って感じでした。『キャプテン・アメリカ/シヴィル・ウォー』のスパイダーマンみたいだなーと思いながら見てた(笑)あと今では、『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』のスターロード(ほかガーディアンズ)とか。キャラ的にはスパイダーマンの爽やかな感じかな(笑)
……話逸れた。




ロザリンドが唯一?心を許し、更にはもしかしたら恋心を抱いていた?キャスパーに橋本くん。

好青年で、ロザリンドへの尊敬が溢れんばかりで、専門的な話も通じる。そうなったらロザリンドの方もそれは心を許しちゃうよなぁ、という納得のキャラクターでした。
ロザリンドへの好意がだだ漏れなところも、見てて好印象。良い青年だなぁ〜とめちゃめちゃ思う。




便宜上、「悪役」というか「敵役」なクリックとワトソン。中村さんと宮崎くん。
ただここは……なんだろう。まあハッキリと嫌な奴感あったのはワトソンだけでしたね。クリックはそんなに。良心もある感じだったし。
ただワトソンは、かなり自分本位。女性軽視発言してたのこの子だったかな?

宮崎くんは初めて見ました。セリフが棒な感じあったけど、これはあえての演技なのかそれともああなってしまうのかは初めて見る人なので判断つかず。あと少し舌足らずですね。
ただ!!この感じが良い具合にワトソンというキャラにハマっていたと思います。彼へのイライラが半端なかった(笑)

あと中村さんは声の良さにひたすら感動していた(笑)








私が観た日の公演は、矢崎さん&宮崎くんのアスタートークショー付きでした。

そこで私、アフタートークの欠点をしみじみと実感してしまいました………。
今作、私は感動して、泣いて、終わった後余韻に浸ってたんです。浸りたいんです!
でもアフタートークがあると、余韻に浸ってる時間がない!すぐ現実に引き戻されてしまった!!
まあこれは、作品のタイプにもよりますが。今作みたいに後から色々自分で思いを巡らしたいような作品だと、すぐアフタートークが始まるのは、私にはキツかったですね……。

アフタートーク自体はまあ楽しかったですけど、これ登壇者に興味ない人にはつまらないのでは。
もっと作品についての話とかして欲しかったです、正直。

とりあえず矢崎さんが大人しめで真面目で、ニコニコしててめちゃめちゃ可愛かったです!!







一度しか観てないし、正直すでにこの感想書きながら「あれ、ここってどうだっけ?」「ここどんなセリフだっけ?」「こっちの場面よりあっちが先だっけ?」とかなってたので、記憶力の弱さが辛いです。

DVD出てくれたら一番有難いですけど、せめて脚本が欲しいなぁ……と今すごく思っています。